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最高裁判所第三小法廷 昭和28年(あ)3800号 決定 1955年7月05日

本籍

岡山市森下町一〇五番地

住居

同市同町一〇七番地

物品販売業

秋山金次

大正二年三月三〇日生

右たばこ専売法違反被告事件について昭和二八年七月七日広島高等裁判所岡山支部の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人岡崎耕三の上告趣意について。

所論は憲法違反を主張するけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張に過ぎないから、上告適法の理由とならないばかりでなく、第一審判決摘示第二の事実によつて他に譲渡した外国製製造たばこと、その他の原判示譲渡行為によつて譲渡した外国製製造たばこは、いずれも同第一の事実である譲受行為に係る物件であるところ、右第一の事実は同第二の事実と共に罪となるべき事実として刑訴法の定める手続に従つて適法な証拠調を経た証拠によつて認定処断されたものであつて、また、たばこ専売法により、犯罪に係る製造たばこを没収することができないために、その価額を追徴する場合、その没収することができない事由は罪となるべき事実ではないから、必ずしも公判廷で証拠調を経た証拠により認定することも、判決にその証拠説明をすることも、これを要しないものであるから、所論違憲の主張はその前提を欠く不適法のものといわなければならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条 三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 本村善太郎 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己)

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